"귀족 그만둡니다, 서민이 되겠습니다 68화"의 두 판 사이의 차이

8번째 줄: 8번째 줄:
 
그런 어느날, 언제나와 같이 뭔가 살짝 부족하지만 맛있는 점심식사를 식당에서 먹는 후 '자수 도안에 될 법한 꽃이라도 피어있지 않을까~'라며 왕궁 뜰을 어슬렁 어슬렁 거리고 있다 발견했다.
 
그런 어느날, 언제나와 같이 뭔가 살짝 부족하지만 맛있는 점심식사를 식당에서 먹는 후 '자수 도안에 될 법한 꽃이라도 피어있지 않을까~'라며 왕궁 뜰을 어슬렁 어슬렁 거리고 있다 발견했다.
  
 歩道から少々離れた陽のあまり当たらない木々の陰。湿った空気でヒンヤリするところ。
+
인도에서 살짝 떨어지 햇빛이 그다지 닿지 않는 나무 그들. 축축한 공기로 서늘한 곳.
  
 +
백년초 군집지라고요.
 +
 +
백년초, 백년초. 하트 모양 잎에 하얗고 귀여운 꽃. 하얗고 작은 네 꽃잎 가운데에는 새끼손가락 한 마디 정도로
 
 ドクダミ草の群生地ですよ。
 
 ドクダミ草の群生地ですよ。
  

2018년 11월 5일 (월) 05:59 판

노와르백의 설명과 함께 입수한 사전으로 겨우, 간신히 자신이 하고 있는 업무의 윤곽이 보이는 듯하다. 무엇이 엮여있는지 아는 것으로 제 업무가 지닌 의의를 찾을 수도 있다는 거지. 뭐 내 경우에는 자신의 의견을 말하는 말하는 것은 전무하지만 다른 사람드르이 일이 원활하게 돌 수 있게 하는 게 내 일입니다.

단순한 문자가 나열되어 있을 뿐이었던 지명이 상상할 수 있는 장소가 된 것은 기쁜 일이다. 이걸로 다음 할 일은 한 번 그 장소에 가 보면 더욱 잘 이해되겠지만.

내 업무의 방향이 살짝 보인 것으로 겨우 내게도 신경쓸 수 있게 된 것같다. 아직 여유롭다고 말할 정도는 아니지만 말이야.

그런 어느날, 언제나와 같이 뭔가 살짝 부족하지만 맛있는 점심식사를 식당에서 먹는 후 '자수 도안에 될 법한 꽃이라도 피어있지 않을까~'라며 왕궁 뜰을 어슬렁 어슬렁 거리고 있다 발견했다.

인도에서 살짝 떨어지 햇빛이 그다지 닿지 않는 나무 그들. 축축한 공기로 서늘한 곳.

백년초 군집지라고요.

백년초, 백년초. 하트 모양 잎에 하얗고 귀여운 꽃. 하얗고 작은 네 꽃잎 가운데에는 새끼손가락 한 마디 정도로  ドクダミ草の群生地ですよ。

 ドクダミ、ドクダミ。ハートの葉っぱに、白く可愛らしい花。四つの白く小さな花びらの真ん中には、小指の先くらいのフサフサしたとんがりがあるあの花。しかし、手に汁が付くものなら独特の香りを放つ、アレです。傷薬代わりになったり、美肌に良いお茶になるアレです。

(すごい大群だわ。誰かが畑のように育てているのかしら? いつのまにこんなに生えちゃったの?)

 近づいて辺りを見回しても誰も居ないし、花壇のように区切られているわけで無し。ここ最近で一気に育ったようだ。

(確か、以前、私、ドクダミ草で手荒れ用のクリームを作ろうとしたわよね。)


「うん、聞いてみよう。」


 余力の出て来た私は、上司にあたるルーデンス殿下に質問するべく、王宮治安相談部屋と小走りで戻ったのであった。。


 ◇◇◇


「あのう、ルーデンス殿下。業務とは関係無い質問なんですけど、よろしいですか?」


 午後、執務机に向かっていたルーデンス殿下が、仕事に一区切り付いた時を見計らって、私は切り出した。この部屋で用事以外、自分からほとんど話をしない私が話しかけたのだ。殿下は直ぐさま、何事か?という顔をして、私に向き直った。


「王宮の庭の雑草とみえる植物は刈り取って持ち帰ってもよろしいでしょうか?」

「何に使うんだ?」


 直ぐさま返答がなされた。こいつ何考えている?って殿下顔に出てますよ。午後から部屋に居たロベルト様をはじめ、部屋にいる護衛騎士さんまでが変な顔をしている。

 私はドクダミ草について説明をした。お茶になるが、民間では薬草に準じる植物であると。王宮の庭に物凄い群生地をつくっていること。雑草として抜いて処分してしまうなら、私がもらい受けたいことを説明した。


「それで、そのドクダミ草をどうするんだ?」

「止血や手荒れの薬を作ります。葉をすりつぶして、お酒に漬けてエキスにします。エキスにしない分は乾燥させてお茶にします。」


 それでもって、自分で使って良い感じなら、街で売ろうと思うんだよね。

 売るってことは、殿下にはまだ言わない。


「一応、そのドクダミ草が王宮内で使われていないか確認をとる。使われていないなら、好きなだけ貰っていくがよい。」


 おう、ルーデンス殿下の言質は取りましたぞ。

 それからロベルト様が動いて、確認をとってくれました。仕事が早いです。相変わらず、変な顔をしていたけど。


 ◇◇◇


 翌日、私はドクダミ草を手に入れるべく、動きましたよ。

 自分で考えて行動するのだもの、多少の手間暇は苦にはならない。久々にやる気満々の私です。


 業務に支障ないように、昼休みをいつもの半分の時間にしてもらい、その分早く仕事を切り上げさせてもらいました。まずはアーシャになって、買い出しです。

 庶民にしか見えない赤いチュニックと青いズボンに着替え、酒屋でアルコール度の高い焼酎という安酒を買う。小間物屋ですり鉢とすりこぎと大きな壺を買って、帰宅です。たった2軒の店をまわるだけで、あっという間に日が暮れ始める。

 ああ、自由に使えるお金があるってのはこういう時助かるわあ。でもすべての荷物を運ぶために、紐で背中に壺を背負い、右手に酒瓶、左手にすり鉢とすりこぎという庶民でもめったにしないであろう格好は、私の心の何かをガリガリと削りましたよ。どう見られているかは考えないようにして、さすがに下働きの者が出入りする門を選んで王宮へ戻りました。王宮の中では人気のない道を選び、人に会わないようにして、官舎に帰宅です。


 翌日も同様に、仕事を早く切り上げさせてもらって、急いで自室へ戻り、再びアーシャとなってドクダミ草の元へ。

 自室にあった少々黄ばんだシーツを地面に広げ、ドクダミ草を抜いて根と花をとり、葉だけを置いていく。もう、ひたすらひたすら…冬と比べて長くなった陽が有り難い。シーツを埋め尽くすほど抜き取った。それから何とかシーツをまとめて、背に背負う。

 かさばるし、官舎まで少々距離があるので、か弱い私には一仕事であったが、何とか運びきりました。官舎の裏口近くに置いておかせてもらう。スーザンおばさんが不思議そうな顔で私を見ていた。


 急いで夕食を食べて、ドクダミ草の作業を続ける。門限までしか作業できないもんね。

 ランプのささやかな灯りの下で作業を行う。官舎の裏口の水場でハート型の葉をサッと水洗いして、すり鉢に入れて、ガリガリとひたすら葉をすり潰す。擦ったものが溜まるとあらかじめ焼酎のいれてある壺に入れる。この繰り返し。

 ドクダミ草のあくのせいか、私の指先は緑褐色に着色していた。石けんで手を洗っても色は落ちないんだな。でも、手袋していれば殿下だって分からないもんね。だけど、心なしか独特の香りが自分の身体から少々するような…。ええい気にしない、気にしない。ドクダミ草が新鮮なうちに作業しなくちゃ。


「スーザンおばさん、この匂いは何なの?!」


 背が高く、腰までの長さを持つ茶褐色の髪を一つにまとめた、ソバカスが少々目立つ美人さんが、裏口からこっちを覗いた。鼻と口元を左手で覆っている。唯一覗いている蒼い瞳が鋭く光っている。

(初めてこの官舎で他の人見た!)

 私はソバカス美人さんにドクダミ草のエキスを作っていることを説明した。彼女の名はナターシャ。数少ない女性騎士さまだそうで。食事から帰ったところ、そこはかとなく漂う異臭を探って、ここへたどり着いたとのこと。

「傷薬になるのなら私にも手伝わせてくれない? お礼は完成した薬でいいわ。」

 腕自慢の彼女が作業に加わったことで、すぐに壺はいっぱいになった。めでたしめでたし。


翌日、いつものように王宮治安相談部屋に出勤したら…私に近づく度にルーデンス殿下が顔をしかめる。それを5度ほどした後、我慢できなくなったのか私に向かい彼は声をあげた。


「お前から変な匂いがする。早退して入浴してこい。」

「…」


(し、失礼な…乙女に向かって紳士が言ってはいけないでしょ。)

私は絶句です。でも、心当たりがあるので、言い返せない。

貴族の礼をとって、部屋から退出です。…まあ、ドクダミ草のエキスを混ぜたかったし、混ぜてからお風呂に行けば良いよね。


あの殿下が口にわざわざ出して指摘するくらいの匂いだ。匂いと共に、大きな壺を前に大きな棒で中身を混ぜる姿を見た者が何人か居たのだ。しばらくして、『魔女が住んでいる』との噂が流れたのは仕方が無いことかもしれない。

全くもって、皆さん失礼よね。