우리 신부를 위해서라면 나는 어쩌면 마왕도 쓰러트릴 수 있을 지도 몰라/05. 첫날 셋

다메즈마 (토론 | 기여)님의 2019년 2월 18일 (월) 03:46 판

라티나가 털썩 허탈해 하는 틈에 데일을 슬쩍 주문을 읊었다.

"물이여 내 이름으로 명한다, 치유하는 힘이 되어라 <유수>"

그의 특기인 땅속성 마법이 아닌 물속성 회복마법을 그녀에게 건다. 이것은 이전에 그가 경험이 풍부한 사람에게 가르침을 받은 것이었다.

'숫처녀를 안을 때에 이걸 쓰면 부담을 줄일 수 있다는 것같으니까'

땅 속성이나 하늘 속성의 회복마법보다도 위화감없이 몸에 스며드는 것같다. 아마 라티나는 마법이 사용되었는지 조차 눈치채지 못했겠지.

'미약같은 효과는 없지만 아픔이나던가 고통같은 것은 가능한 피하게 해주고 싶고…… 하는 걸 싫어하게 되면 곤란하니까'

이번 한 번만으로 내가 참을 수 있을 터가 없다. 그럼 조금이라도 그녀에게 이 행위가 기분이 좋은거라고 알려 줄 수밖에 없으리라.

"라티나…… 살짝 길 좀 들일께……"

"후……에……?"

한 번 절정에 달하기도 해서 그녀의 은밀한 곳은 충분히 적셔 있었다. 아직 아무 것도 받아 들인 적 없는 그곳은 습기도 도와 데일의 손가락을 스륵 삼킨다.

"응…… 하나는 바로 들어갔네…… 두개는 살짝 힘드려나……"

"아, 꺄……응"


 くちくちと濡れた音をたてながら掻き回されて、ラティナから喘ぎ声が漏れる。戸惑いはあっても痛みは感じていないようだった。

「ラティナ……俺がこれから何しようとしているのかは、わかってるか?」

「う、……うん……っ」

 ラティナの無垢な姿に、デイルは、彼女がどこまで理解しているのか少々不安にもなる。今更の気もしないではないが。

 ラティナは素直な仕草でこくり。と頷き、恥ずかしげに答えた。

「デイルの、私のなかに、挿れる……の?」

「ああ」

 答えるデイルもそろそろ限界だった。歳上の余裕を見せる為と、彼女を怖がらせてはならないという一念で、平然と見せているが、可愛い過ぎるラティナの姿や声、表情の全てにずっと煽られているのだ。

 雄としての本能が、一刻も早く彼女のなかに分け入りたいと訴えていた。


「痛いかもしれないけど、ちょっと我慢してくれな」

「うん……大丈夫……デイルなら、大丈夫なの……だからね……」

 ラティナは、不安に眸を揺らしながらも、気丈に微笑んでみせる。

 これは自分もずっと望んでいたことだ。

 経験したことはないけれど、周囲の話や友人たちとの会話で、なんとなくどういうことをするのかは知っていた。目の前のデイルの裸すら、満足に見ることは出来なくて、知識だけでは到底足りることはなかったと、うまく働かない頭で考える。

 デイルに身体を見られることも、肌を合わせることも、想像以上に恥ずかしくて仕方のないことだった。

 それでもデイルに求めてもらえることは、そんな恥ずかしさを遥かに超えた幸せな気持ちになることだった。

 届かないと思っていたひとに、ひとりの女性として求められている。ひとりの女として、欲情してもらっている。それは、性的な感覚に未熟なラティナにとっても、悦びに身体を疼かせることだった。

 だから彼女は、蕩けた色を表情に宿して懇願した。普段の声よりも、知らず甘えた声が出る。

「痛くしても良いから……優しくして……ね」


 その時、デイルの脳内の冷静な部分は、自分の理性が破砕する音を聞いた。

 これは、駄目な奴だった。

 どストライク過ぎて、可愛い過ぎて、ぐわぁっとなった。

 この娘をもっと喘がせてみたい、もっと欲情に蕩けた表情にさせたい。まだ何も知らない彼女が、とろとろになるまで、快楽を刻み込みたい。

 自分の名前だけを呼ばせて、他の意味ある言葉なんて、考える暇もないようにしたい。

 デイルは、自分の快楽だけを突き詰めたいという心境にはならなかった。それだけでは足りない。それだけでは、満足なんて出来ない。


 でも、それはそれとして、理性が仕事を放棄した以上、彼の身体は、本能に忠実な動きをした。

 彼の鍛え上げられた戦闘技術を用いれば、ラティナひとりの身体を思うまま捌くこと等、難しくない。気付くとラティナは、ベッドの上に寝かされて、デイルに見下ろされていた。

 見たことのないデイルの表情に、ラティナはびくりと震える。怖かった。けれどもそれは、不快な怖さではなかった。

 デイルの表情にあるのが、明らかな欲情であることも見抜けぬラティナは、それでも今自分が、女として求められていることだけは、朧気に理解する。

 精一杯の努力で自ら両の脚を開いてみせる。彼を受け入れたいのだという自分の意志を示す為に。それは、彼女の意識の中とは異なり、実際はほんの僅かに脚の間に隙間を作ったに過ぎない行為であった。


 だがデイルには、ラティナが自分のことを拒んでいない、それだけで充分だった。

 目の前に、自分を受け入れる意志のある、愛しい女性がいる。それ以上の何が必要だろう。

 今の自分の意志を、何よりも明確に代弁している器官が、その役割を果たせるように、彼女の脚の間に自らの身体を捩じ込ませる。大きく身体を開かれたラティナに怯えの色が走るが、今はそれを考慮することは出来なかった。

「ラティナ……」

 先ほど自分の指を含んでいた、彼女の女の部分に視線を向ける。慎ましやかなそこは、自分を受け入れるにはずいぶんと可憐に見える。だがもう止まれる筈などなかった。腰を進め、互いの敏感な部分を触れあわせる。

「はぁ……あっ」

 明らかな質量のある部分を感じたラティナから、吐息が漏れる。ぐちぐちと粘着質の水音をさせて擦りつけられた、デイルのそれを、ラティナが拒む姿を見せなかったことが、デイルから最後の自制心を取り外させた。

「ラティナ、力、抜けよ」

「うん……」

 気遣う言葉を囁くことが、デイルにとっても精一杯だった。

 獣のように彼女を貪りたいと訴える、自分の雄を制御することを、彼も難しくなっていた。

 彼女の呼吸を計ったのも、半ば無意識だった。息を吐いたラティナの身体から力が抜けた瞬間を見計らって、彼女の中へと自らを埋没させる。

「あ、やあっ……」

 明らかに快楽とは異なるラティナの声に、彼女が苦痛を感じていることはデイルにもわかった。デイルの侵入を拒むかのように狭くきつい彼女の中は、指とは比べものにならない質量を受け入れるには、まだ慣らしも何もかも足りなかったらしい。ぎちぎちと身体の内部を押し広げられる苦痛に、ラティナの眦に涙が滲む。

「ごめんな、ラティナ……大丈夫か?……」

「うん……大丈夫……っ、大丈夫なの……っ」

 まだ入り口を抉じ開けただけでこの様子であったが、ラティナは相当辛そうだった。それでも彼女はいじらしい返事をしてみせた。

 そんなラティナを気遣いたい気持ちはあっても、もうデイルも、とてもではないが今更止めることも出来ない。

 更に突き挿れて、彼女の純潔を奪う時は、今以上の苦痛を与えるのかと思うと、少々心が痛む。だからこそデイルは、回復魔法が効いていることを祈りながら、一気に突き挿れることを決心する。

「ちょっとだけ……頑張ってくれよ……」

「うん……うん……」

 譫言のように答えたラティナの腰をしっかりと掴み、デイルは自らの体重も使い一気に押し進んだ。


「ーっ!」

 文字通りの引き裂かれる痛みに、反射的に逃げるような反応をしたラティナであったが、デイルに押さえ込まれた彼女の身体は、それを許されることはなかった。

 痛みに、ぼろぼろと生理的な大粒の涙が溢れる。

 だが、最初の衝撃をやり過ごすと、後に残った痛みはそれほどのものではなかった。そして何よりも、心を満たす幸福感にラティナは潤んだ眸のままでデイルを見上げた。

 今、自分は、彼を受け入れている。

 ずっとずっと前から、こうなりたいと願ってきた。

 幼い頃から、ずっと想っていたデイルと、ようやく結ばれたのだ。幸せを感じない訳がなかった。

 伝えたい言葉がある筈なのに、何も浮かんでこない。ただ、デイルの顔を見ることしか出来ない。翻弄されてしまっている彼女の心は、圧倒的な幸福感に押し流されて、既に思考能力を放棄しかけていた。

 だからラティナは、幼い頃からずっと繰り返してきた言葉を口にした。自分の中ではっきりとしている想いを彼に伝えた。

「デイル……すき……」

「ん……」

「すき……すき……だいすきなの……」

「俺も、好きだよ、ラティナ」

 そのデイルの言葉に、ラティナは涙を流しながらも微笑んだ。ならば、大丈夫だ。デイルは自分に酷いことはしない。デイルに任せれば、ぜんぶ大丈夫だ。動かない頭の中でラティナは、自分の心に刻み込まれている、デイルへの信頼に全てを委ねることにする。

「だいすき……だいすき……っ」

「ああ、もう……そんなに煽るなって……」

 ちゅっ、ちゅっと、涙を拭うようにキスが貰えたことにも嬉しくなって、ラティナは幸せそうに笑う。

 もっともっと、甘やかして欲しかった。

 いつも優しいデイルが、今はもっともっと優しい。たくさん可愛いがって貰えるこの行為は、恥ずかしいけれど、嫌なことではないと覚えてしまう。

 労るように、頭を撫でて貰えるのは、良くできましたと褒めて貰える時とおんなじだ。これはとても、嬉しいことなのだ。

 身体の中が、いっぱいになっている。いつの間にか、もう痛くない。このお腹の中で感じているものはデイルの一部なのだ。大好きなデイルを感じることが出来ることは、嬉しいこと以外のことの筈がない。


 官能というよりも、幸福そのもののような顔をして、ラティナは微笑む。幼い頃から変わらない、見る者の表情を緩ませる笑顔だった。

 普段よりも、拙い口調で愛を訴える。

「デイル……すき、だいすきなの」

「ああ、俺もだよ」

「キスして……もっといっぱい、して……」

 なんだろうこの可愛い生きものは、と、デイルは軽く現実逃避をしながら息を調える。

 破砕した理性の欠片を繋ぎ合わせて、必死にデイルは耐えているのだった。彼を根元まで飲み込んだラティナは、相変わらずぎちぎちと彼を締め上げている。苦痛ではない感触であるそれも、自らの動きを最小限に制している現在の彼にとっては、甘い拷問に等しい締め付けだった。

 デイルは、ラティナが慣れるまでは、落ち着くまではと、華奢な彼女に体重を掛けてしまわない様に自重を腕で支えながら、彼女の身体を抱き締めるに留めていた。

 頭の冷静な部分は、それでも状況を把握はしている。だが、実際のデイル自身の心は、かなりかけ離れたところにぶっ飛んでいた。

「ん……」

 デイルが自分自身との戦いを繰り広げていて、いつまでもキスしてくれないことに焦れたらしいラティナが、首を伸ばして甘えた様子で彼の唇に自分のそれを合わせた。

 音をたてながら軽く合わせた後で、再び唇を重ねると、ラティナはついさっき教わった通りに、デイルの口中へと自分の舌を差し入れた。彼の歯と歯茎をなぞるだけの愛撫だったが、唇を離した後で、ちゃんと出来た? とばかりの微笑みを浮かべる。


 さようなら、理性。と、デイルは自分の冷静な部分が呟くのを聞いた気がした。